KiCadを導入したときに困った点をお知らせします。(その3外形情報の整理)
PCBの製造上、位置決め用の非メッキスルーホール(NPTH)を捨て基板に複数配置する必要があります。(必要ないメーカ様もあります) また、SMT後に行う捨て基板の切断を容易にするたにミシン目(小径のNPTHを複数並べた箇所)を配置することがあります。KiCad PCB Editorでは、Editor上で、NPTHを配置することはできません。FootprintライブラリにおいてのみNPTHを設定することができますので、基準穴やミシン目をSymbolライブラリに登録し、回路図とPCB Editorを関連付けして、 Footprintライブラリからインポートします。また、筐体への固定用に配置する大開口(例、φ3.5)のメッキスルーホール(PTH)では、メッキ剥がれを防止するため、ランドに小径のPTHを複数配置する必要があります。同一ネットのTHがオーバーラップするとDRCエラーを起こしますので、同じくSymbolライブラリに登録しておいた方がよさそうです。簡単に手順をまとめておきます。
1. 外形加工に用いるSymbolを回路図に配置する
ミシン目(小径NPTHを複数並べたもの)、大開口のPTH、大口径NPTH、SMT実装用の認識マーク等の回路の機能には直接関係ないものをパーツとしてSymbolライブラリに登録しておき、必要な数を回路図に配置します。NPTHへの属性変更は、Pad属性のドロップダウンメニューから選択することが出来ます。
2.回路図からPBD Editorへアップデートする
回路図のTool > Update PCB from Schematicを選択し、PCB EditorへFootprintの情報をインポートします。指定の位置に各々のパーツを配置します。
3.NPTHやレジスト開口が正しく配置されているか確認
メッキ/非メッキの属性や、レジストの開口をPCB Editorから判別することが難しいため、View > 3D Viewerから3D Viewerを立ち上げて、3D図で確認するとよいでしょう。

NPTHライブラリの回路図への配置

NPTHを有するライブラリ登録

PCB Editorへの展開

3D Viewerによるチェック