ルネサスRx231へのファームウェア移行開発の状況

 Rxマイクロコントローラー(MCU)は、ルネサスエレクトロニクス社が2009年に発売した高性能な32ビットMCUです。モーター制御、タッチセンシング、通信、セキュリティなど幅広い分野で採用されています。この度、H8/300HシリーズからRx231へのファームウェア移行開発のご依頼をいただき、その取り組みについてお知らせします。

FIT(Firmware Integration Technology)による開発効率の向上
 Rxファミリは、FIT(Firmware Integration Technology)という仕組みを採用しています。これは、各周辺機能モジュールをユーザープログラムに簡単に組み込むための技術です。FITモジュールとして提供されるドライバやミドルウェアは、スマート・コンフィグレータ(SC) を使ってユーザーアプリケーションに統合できます。これにより、ソフトウェア開発の負担が軽減され、他のRxマイコンへの移植も容易になります。
 今回の開発では、以下のツールを使用しています。

  • 統合開発環境: e2studio
  • Toolchain(コンパイラ):GCC for Renesas Rx
  • デバッカ:E2エミュレータLite

H8/300HからRx231への移行作業
 現在、H8/300Hシリーズ向けに開発されたユーザーアプリケーションをRx231へ移行する作業を進めています。具体的には、既存のマイコン周辺機能(SCI、タイマ、ADCなど)をFITモジュールと連携させることです。

  • 進行中の作業: SCI(シリアル通信インタフェース)モジュールやRIIC(I2Cバスインタフェース)モジュールとアプリケーションとの接続
  • デバック方法:以前ご紹介したPython通信試験プログラムを使用

進捗がありましたら、改めてご報告いたします。